吉野方小学校が閉校

吉野方小学校が閉校

 またひとつ学校が閉校します。
日南市立吉野方小学校(沖吉澄夫校長・全校児童16人)の閉校記念式典が2月23日に執り行われ、卒業生や歴代の職員、地区住民など約600人が出席しました。

 吉野方小は1900(明治33)年に開校。 児童数は1948年の288人をピークに、70年代後半には2桁台に。 現在は1年生2人、3年生1人、4年生5人、5年生2人、6年生6人、合わせて16人。 少子化と過疎化の影響で、今年度をもって114年の歴史に幕を下ろします。

 式典では、沖吉校長が「私たちが閉校を決めたのは、今後の児童数の増加が望めないことと、小学校6年間が僅か1〜2人の子どもで良いのだろうか教育に危機感を感じたからであります。閉校を望むものは一人もおりません。地域の方々が、子ども達の教育のために寂しさを乗り越えて苦渋の決断をしてくださいました。感謝を申し上げます」と述べました。
 
 卒業生である﨑田日南市長は「市長となってはじめて迎えるこの春に我が母校を閉校しなければならないことは、寂しく辛く悲しい思いがあります」と涙をこらえながらあいさつ。

 式典が終わったあとは、別れの集い。児童による合唱や、太鼓や三味線を伴奏に吉野方音頭。 卒業生でシンガーソングライターのMisaChiさん(本名:久嶋美さち 33歳)と児童や生徒、教員らが「栴檀の木 〜校舎から君へ〜」を合唱しました。この歌は、閉校記念に合わせてMisaChiさんが作曲し、合同で作詞をして完成させたそうです。

 正門前には記念碑が建てられ、カウントダウンに合わせて児童らが除幕をしました。 児童は「閉校は悲しいけれど、地域の方や先生方が、僕たちのことを思って閉校してくれた。飫肥(おび)小に行っても頑張りたい」と話していました。

 出席した卒業生は「悲しいですね自分の母校がなくなるのは。このグラウンドでサッカーしたりとかみんなで遊んだ記憶があります」と閉校を惜しむ声が聞かれました。

 在校児童の10人は4月からは飫肥小学校(全校児童302人)に統合されます。 吉野方小と飫肥小との距離は約3.5キロ。 子どもの足では通学に1時間程かかることから、市と教育委員会では登校手段としてコミュニティバスの運行を検討しています。

 これまで2,900人あまりの卒業生を輩出した吉野方小は3月31日をもって閉校し、学校の跡地計画は未定です。 日南市の調べでは、ここ近年で閉校した小中学校の数はこれで3校目。 旧日南市や旧北郷町・旧南郷町を入れると閉校は16校にもなります。



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