
日南市南郷地区で、350年以上続く伝統行事、鵜戸神宮に奉納する米「御供上(ごくあ)げ米」の米俵づくりが、1月21日、南郷公民館で行われました。
この行事は、五穀豊穣や無病息災を願い、毎年2月1日に鵜戸神宮へ奉納する「御供上米」を入れる米俵を、すべて手作業で編み上げるものです。
会場では、地区の自治会役員や有志12人が参加し、乾燥させた稲わらを一本一本選別する「わら選り」から作業を開始しました。木製の俵編み機を使って丁寧に編み込み、高さおよそ1メートルの俵を仕上げていきます。

完成したござ状のわらを円筒形にして麻ひもで固く結び、最後に形を整えながら胴回りを縛り、はみ出した稲わらをハサミで整えていきました。
地区に伝わる由来によると、南郷地区中央町一帯は、かつて海だった場所で、1650年ごろに松田堤が築かれたことで稲作が可能になりました。しかし、大潮や台風のたびに海水が入り、米が不作になることが多かったといいます。同じ悩みを抱えていた風田地区とともに、庄屋同士が兄弟だった縁から米を鵜戸神宮に奉納したところ、塩害が治まったと伝えられています。
今年は、精米した南郷・潟上産のもち米75キロが詰められ、作業にはおよそ4時間をかけて2俵が作られました。参加者は声を掛け合いながら、伝統の技を確かめるように作業にあたっていました。
▽南郷地区・中央町自治会の甲斐富貴男会長は「五穀豊穣や無病息災を願い、1年の感謝とこれからの豊作を祈って、毎年奉納しています。若い世代に伝えていくことが課題」と話していました。
俵を編む技術を持つ人が年々減る中、地区では年配者から指導を受けながら、伝統の技を守り続けています。完成した「御供上米」は、2月1日に鵜戸神宮へ奉納され、歌合戦の催しも行われる予定です。


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