新型コロナウイルス感染が４月７日に日南市内で確認されて初の週末となる夜。 油津地区の居酒屋やスナックは人で賑わうはずが、停車しているタクシーの台数の方が多かった。 城下町の飫肥（おび）地区、市内中心部の吾田（あがた）地区も閑散としていた。
宮崎県は１１日、「繁華街の接客を伴う飲食店への外出自粛」を県民に要請。 こうしたことから、日南市内も営業を自粛するスナックや飲食店が増えてきた。 日南商工会議所には６５件のうち２２件の飲食店から今後の経営や融資に関す相談が寄せられた。 市内の飲食店は相当なダメージを受けている。 営業再開が未定である飲食店がある中、テイクアウト専門としてシフトチェンジする店も少しずつ出てきて試行錯誤をしている。
あるスナックでは週末のみ営業する店があった。 店に入る前に手指消毒を呼びかけ、除菌ミストを設置したり１時間ごとの換気も徹底。 カウンターには一席ずつ間隔を空けて座るようにして、団体客は断ってボックス席を使用しないように密接を減らす対応をした。 電話取材に応じたスナックの店主は「前年より売上が半分以下になってしまった。店の固定費や生活費を払うために営業せざるを得ない」と漏らす。
一方、３密（密閉・密集・密接）を徹底しているのか、窓をあけたまま営業しているスナックも見られ、周り近所への騒音が気になった。 飲んだ後で息が苦しいのかマスクを着用せずに千鳥足で歩く高齢者も見られた。
これから心配されるのは市外県外からのコロナ帰省や疎開。 その対策として日南市は現在「県外・市外の不要不急の往来の自粛」「こまめな手洗いと咳エチケットの徹底、体温を測る検温の実施」などを市ホームページやＳＮＳ、回覧板などで呼びかけている。 新たな感染者を出さずに普段通りの生活が送られるかは、ひとりひとりの行動にかかっている。
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