串間市奈留にバイオマス発電「北之股(きたのまた)発電所」の開発を進めている日南市榎原にある吉田産業は3月31日、建設工事の節目となる火入れ式を実施しました。
火入れ式には社員や発電所の開発に関わる約25人が参加し、発電所の主要設備であるボイラーに初めて点火をして、安全運転の祈願をしました。
バイオマス発電では工場内で出た杉の端材や樹皮などを主燃料に、年間約4万トンの使用を計画しています。 延べ床面積約2,500平方メートルある発電所には、燃料装置や発電機があるタービン棟などが整備され、総事業費は約30億円。
最大出力は3,000キロワット、年間発電量は約2万3,000メガワット(5,400世帯分相当)を見込んでいます。
▽吉田産業株式会社・代表取締役の吉田利生社長は「20年前と比べて工場の生産量が倍になってきました。結果的に木質燃料もたくさん出てくる。そして工場も生産増大に伴いエネルギー消費が増えてきた。もちろん木材は乾燥して使っていくというのが今の常識になっていますので、乾燥用の蒸気もたくさん必要となってきた。これがもともとの原料である木材から生み出されて、また新しい商品をつくっていく。まさに循環型の社会だと。このバイオマス発電所は強く責任を持って活用できると思います」と話していました。
発電した電力とボイラーから出た蒸気は工場で使用され、余った電力は九州電力に販売する予定です。 北之股発電所では5月に試運転が行われ、6月1日の運転開始を目指しています。




